「え…?」



某は、耳を疑った。



「なんだ、幸村。聞いとらんかったのか?」



御世話になっている御館様は仕方ないとばかりに、もう一度、同じ事を口にする。

某は、耳を塞ぎたい衝動に駆られた。

それも、そのはずだ。

耳に入ってきたのは、みつき殿の、今、某とこの目の前に立つ御館様が、捜査にあたっっている殺人についてだった。

御館様の口から出てきた名前に、思わず絶句してしまう。

まさか、まさか。

その言葉が、某の身体を駆け抜けた。



重要参考人、片倉 小十郎。


精悍な顔でみつき殿に笑う片倉殿が、脳裏を過ぎた。





それを最後に、要らない思考を某の脳は拒絶した。





運命が扉をたたく
ファンタジー「クラシック」(c)ARIA
write by 99/2010/01/05
⇒To be continued.




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