「こんにちは」



この町では珍しい銀髪に少し訛りのある挨拶。

それから、きちんと、礼儀正しく下げられた頭に、某は笑みを浮かべた。



「伊達さんってお宅を探しているんだが」



あぁ、この子が。

心の中で、呟いた。

上から下まで見直して、なんとなく面影を感じたのは、先入観の所為なのだろうか。



「いつき殿か?」



問えば、驚いた表情が返ってきた。



「政宗殿から聞いている。みつき殿の妹だと」

「みつき姉ちゃんの知り合いだべか?」

「あぁ」



某が肯定した瞬間、ふわりと微笑まれた。

その笑みに、一度だけ見た、



『仕方ないなぁ、幸村は』



と、呆れ笑った優しい笑みが重なった。








みつき殿が忘れてほしいと思っても、某達は、みつき殿を忘れはしないだろう。

それが、人に優しくすることだったり、人間としての感情だったりを、教えてくれた優しい彼女への、某達のせめてもの恩返し。





我が麗しの蝶々
ファンタジー「クラシック」(c)ARIA
write by 99/2010/01/05
⇒To be continued.




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