駒がどうなろうと知ったことではない。

我自身もその駒なのだから。

戦場を盤面に見立て策を練る。

その傍らにはいつもこやつ、音子が居った。


「元就様」

「何用だ」

「次はこの音子もお使いくださいませ」


この言葉を何度聞いたか。

そんなもの数え切れぬ程だ。

であるのに、我は音子を駒と数えられぬ。

今までも、これからも。



そこで見てろ
「従わせる者」(c)こなゆき
write by 99
2010/12/01〜2011/10/03


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