はじめは沢山喋ってた音子も、今はただ俺の手を握ったまま。

ただただ先を目指す俺についてくる。

昔はこうしてよく歩いた。

修行が辛くて、泣く音子を連れて、闇雲に山ん中を歩いた。

そうしてる内に泣き声が止んで、俺の名前を呼ぶ。

俺は自分の名前を呼ばれるまで音子を連れ歩いた。


「佐助」

「なに?」

「どこ行くの?」

「何処までも」





黙ってついてくればいい
「従わせる者」(c)こなゆき
write by 99
2010/12/01〜2011/10/03


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