衝撃的真実の行く末は

対峙した紅玉の目に唾を飲む。
普段出来る限り顔を特定されない為に、目深に被っているフードも今は脱いでいる。


「ボス、君は自分の出生をどう思う?」


ピクリと目線だけが反応した。
内心で少しばかりの引っかかりを覚えた。
原作とは違いある程度の常識を持っているとは思っていたけれど、この手の話には怒りを露わにすると踏んでいた。
なのに、この反応。


「別にボスがボンゴレ]世になりたいなら、それはそれで構わない。ただ」

「俺の血じゃボンゴレは継げねぇ、か」


驚いた。
冷静過ぎる理由はそこか。


「知ったのはいつだい?」

「最初からだな。あの女は俺をジジイの息子だと本気で信じていたようだったが、俺はそんな戯れ言信じちゃいねぇ」


カランとザンザスの手にあるグラスに入った氷が音を立てる。
あの女、つまり、彼の母親のことだろう。
たしか、彼の憤怒の炎を見て狂喜に飲まれたと記憶している。


「ただし、少しばかりの血は混ざっているようにも思うがな。ジジイと比べちゃ精度は悪ぃが、俺にも超直感がある」

「成る程ね」


顔からしてU世の血が混じってる可能性が大いにあるとは思う。
むしろ、他人の空似であんなに似るのは怖すぎる。


「で?ボスはボンゴレのボスになりたいの?」


結局はそこだ。
混ざっていようが血に拒まれるとわかっていてボスになりたいかどうか。
その答えが未来を変える可能性がある。
一番の希望はゆりかごの回避。
出来ることなら、義理とは言え、ザンザス達親子にはそんな擦れ違った苦しみを味わって欲しくはない。


「はっ」


鼻で笑われた。
グラスに入った酒を一気に呷ったザンザスの紅玉がギラリと煌めいた。


「俺にあんな穏健は似合わねぇと思わないか?」

「え?」

「俺は荒くればかりの暗殺者のボスの方が性に合う」


思わず、破顔一笑。
そうか、彼は自分をよく分かっている。
私もそう思う。
彼が老舗ボンゴレのボスをやるよりも、暗殺者のトップでいる方がらしい。


「そうだね。ボスは僕らのボスだ」


満更でもなさそうに笑うボスにホッと胸を撫で下ろした。




輝いたのは 我らが王 の誇り








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