三
「嫌か?」
「まーくん」
泣き出した私の頭を撫でて、まーくんが顔を覗き込む。
「嫌じゃったら、全力で抵抗しんしゃい」
そう言ったまーくんは頬に手を添えて、触れるだけのキスをした。
「まーくん…私っまーくんが好きだよ」
「良かった」
嬉しさが溢れ、涙は止まらない。
「なぁまーくんは止めんか?昔みたいに雅治て呼んで?」
「え?昔…みたい……」
まーくんを雅治と呼んだ覚えはない。
私が雅治と呼んだのは、過去のまーくんだけ。
「まーくん、覚えてるの?」
「信じられるか?俺の初恋は文月なんじゃよ?」
ニィッと笑ったまーくんは中学3年のあの雅治の顔をしていた。
「大好き、雅治!」
そう言った後、ギュッとまーくん改め雅治に抱きついた。
とりあえず、一番の障害は年の差でもなんでもないブンちゃんの存在だ。
薄れゆく記憶は確かに奥にしまわれていて、残る傷痕は痛々しいけれど、私達を繋いでくれた。
ねぇ雅治、本当に大好きだよ?
⇒HAPPY END...
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