「嫌か?」

「まーくん」


泣き出した私の頭を撫でて、まーくんが顔を覗き込む。


「嫌じゃったら、全力で抵抗しんしゃい」


そう言ったまーくんは頬に手を添えて、触れるだけのキスをした。


「まーくん…私っまーくんが好きだよ」

「良かった」


嬉しさが溢れ、涙は止まらない。


「なぁまーくんは止めんか?昔みたいに雅治て呼んで?」

「え?昔…みたい……」


まーくんを雅治と呼んだ覚えはない。

私が雅治と呼んだのは、過去のまーくんだけ。


「まーくん、覚えてるの?」

「信じられるか?俺の初恋は文月なんじゃよ?」


ニィッと笑ったまーくんは中学3年のあの雅治の顔をしていた。


「大好き、雅治!」


そう言った後、ギュッとまーくん改め雅治に抱きついた。

とりあえず、一番の障害は年の差でもなんでもないブンちゃんの存在だ。

薄れゆく記憶は確かに奥にしまわれていて、残る傷痕は痛々しいけれど、私達を繋いでくれた。



ねぇ雅治、本当に大好きだよ?





⇒HAPPY END...

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