「つうわけだ」


軽く説明をした丸井に俺達は信じられないと全員が思っていた。

だが、確かに目の前にいる文月という少女は丸井の血縁者だろう外見をしているし、何よりも何か違和感を感じていた俺からすれば、未来からきたのだと言われれば納得してしまった。


「仮にアンタが本当に未来から来たとして、なんで来たんだよ?」

「え?」

「未来からなんで来たんだよ」


赤也の問い掛けは当然の疑問だろう。


「文月?」


丸井が不思議そうに名前を呼ぶ。

文月はカタカタと身体を震わせ、まるで怯えているようだった。


「私、大変っな、殺した…」


切れ切れに紡がれた言葉を拾い、理解出来たのは、文月が何かに怯えて、何かを殺したと言っていることだけだった。


「文月、すまん」

「仁王…」

「黙っとけんじゃろ、さすがに」


そう言った仁王が出したのは誰かが握り締めたのだろう皺のいった新聞の切り抜き記事だった。





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