「明日、一緒に部活行かねぇか?」

「へ?」

「文月さえ嫌じゃなかったら、やがの」


余りにも唐突なことに頭がついていかなかった。

いつも通りに今日は何をしただとか赤也先生がどうしただとか比呂くんがこうだったとかを聞いていた筈だったのに、いきなりのお誘いに私はどうすればいいのかよくわからなかった。


「嫌か?」


シュンとしたブン太に慌ててしまう。


「嫌じゃないよ!」

「じゃぁ行くか?」

「う、うん」


正直、怖かった。

幸村さんに会うことが。

ここにいるのは過去の幸村さんであって、私を責めたてた幸村さんでないのはわかっている。

でも、あの目に映されるのが無性に怖かった。


「大丈夫じゃよ」

「え?」

「俺らの仲間じゃき。文月のこと、疑うたりせん」


フワリと頭を撫でられて、いつの間にか入っていた肩の力が抜けるのを感じた。

願ってはいけないのに、私は願っていた。

この幸せがいつまでも続くことを。




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