面倒臭いからアルヴィンと一緒にジュードくん達に合流した。
「あれっサリアさん…アルヴィン、一緒だったの?」
「おう、さっきそこで会ってな」
「そうなんだ」
「もう、ミラさんもジュードくんもエリーゼちゃんもティポくんも、いいの?」
「うん、行こっか」
お屋敷はとてつもなく大きかった。
笑顔で迎えたドロッセルとローエンはに軽く会釈すると、
屋敷から兵隊が出てきた。ラ・シュガル兵らしい。
其の後に続いて、大きな傷口を額に持った男と、厳しい顔の男が出てきた。
「(あったかそうだなあ)」
そんなことを思いながら、サリアは隣に立っていたアルヴィンにこそりと聞いた。
「あの人は誰?」
「…ラ・シュガルの国王だ」
「ふーん」
「どうした」
「あったかそうだなあ、と思って」
「プッ…くく、そうだな」
馬車に乗り込むと、直ぐに去ってしまった。
「今のは…」
ミラが呟いたが、アルヴィンは知らん振りを決め込んでいる。
まあ、言わなくてもいいかと思い、黙っていた。
ローエンが言うところから察するに、何か用事があって国王は此処に着ていたのだろう。ということは、この屋敷は。領主の邸宅だろうか。
考えながら歩いていると、前に歩いていたアルヴィンが止まったらしく
背中に顔を打ち付けた。エリーゼに心配されながら前を向くと、儚げな青年が立っていた。
「お兄様!」
ドロッセルが駆け寄る。並ぶと、よく似ている。
ジュードが驚きの声を上げる。
「この街の領主…?」
「(やっぱり)」
屋敷の中に通されたが、すぐにクレインは去って行った。
アルヴィンも、生理現象と言い、去った。ドロッセルはエリーゼと仲良しになっていた。
「海や森を通ってねー波やキノコがすごかったー!サリアくんがシチューをつくってくれたんだよ−!」
ティポが地味に褒めてくれていて、照れくさかった。
平和だなあ、何て思いながらお茶を啜る。
ドロッセルとエリーゼとミラは仲良く会話をしていて、
何処か遠いところからサリアはみつめていたけれど、楽しかった。
「(あ、おいしい)」
ジュードが屋敷から出ようとすると、クレインが兵をつれそれを止めた。
「まだ、お帰りいただくわけには行きません」
(なんだか面倒ごとに巻き込まれた予感)
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