蝶を倒すと、それは光り輝いてぼろぼろと崩れ舞い上がっていった。
どうやら微精霊、らしいとよくわからない単語に首をかしげながら
サリアは美しいね、と呟いた。
「ありがとう」
「え?」
「我を忘れ、危うく微精霊を滅するところだった」
「あぁ…うん…」
「(わぉ、いい感じ?ミラさん綺麗だもんなあ)」
ジュードとミラの会話を見守ると、ローエンの戻りましょうという声が聞こえた。
その言葉に、安心感を覚える。と、同時に、サリアは足から全身からふわりと力が抜けた。
「(あ、やばい、これは、)」
どさっと音がして、サリアが倒れた。アルヴィンが瞬間的に受け止める。
「サリアさん?大丈夫!?」
ジュードが近寄る。直ぐに確認を取るが、どうやらただの疲労らしかった。
意識を失っている。エリーゼとミラが心配そうにしていたが、大丈夫とジュードは微笑んだ。
「疲れてたみたい。」
「…そうか、無理をさせたのかもしれんな。」
「大丈夫…ですか、サリアさん…ね、ティポ」
「うん、エリーも僕も心配だよー」
「多分、ちょっとしたら眼が覚めるよ。今日は早めに寝させてあげよう。」
「そうだな、帰ったら、ベッドを借りていいか?ローエン」
「ええ、どうぞ」
「アルヴィン、そのままサリアを運んでやってくれるか?」
「はいはいミラ様。(にしてもコイツ…軽すぎやしないか)」
そうして一行はカラハ・シャールに急いで戻るのだった。
(やっぱり、寝ないのはきつい、)
→