「切ないねえ」


乾いた笑いが、乾いた空気を切り裂くように吐き出された。

「君とは、仲間だとおもったのだけれど」

女は柔らかそうな髪を揺らした。瞳は笑っていない。



「アルフレド」

「…」

男は喋らない。

「アルフレド」

「…んだよ、」



不機嫌な声が舞い降りてくる。銃口の少し上は、泣きそうな男の顔。



「そんな顔をするなんて、まあ、色々あるのだろうね」

どこか他人事に言って、銃口に額を寄せる。





「撃ってごらん」


「…」

「撃ってごらん」

「俺が、撃てないと思ってるのかよ」

「撃てるさ。君の為に死ねるなら、本望かな。」

「…なんで、」

「アルフレド」

「なんで、なんだよ」

「アルフレド」


なだめるような声に、泣きそうな顔がもっとゆがめられて、
それから、銃口は下りた。
さっきまで其処に寝ていたベッドにその銃を放り投げ、男は女の前で座り込んだ。

「なんで…っ、お前は…!」

「うん」

「女なのに…っ男みたいに喋って…っ」

「うん」

「男装して…男より強くて…っだけど、ちゃんと女っぽくて…」

「うん」

「俺を…いつもっ子ども扱いして…」

「うん」

「なんっ…で…」

「うん」

「俺の為に、死ねるんだよ…っ…ななし…」


女は、今度は瞳から、笑った。


「馬鹿だなあ、アルフレド」

「…んだよ、何がっ」

「相思相愛だからだよ」

「…バッカじゃねーの…」

「うん、知ってた。」

女は男を抱き寄せると、男は女の肩に顔をうずめて肩を震わせた。

「みーんな、ちゃんと君のことが好きだよ、アルフレド」

「…」







さよならの言い訳

(色々考えたんだ、だけど殺したくなかった。 ) title/ Shirley Heights

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