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「さっき案内した場所とここからこの廊下の奥までが男部屋だ。女部屋は二階にある。それは理子に案内させよう。…だいたいこんなところだ。詳しいことは理子達に聞くといい」

あとは好きにしてくれ。といって弥勒はそそくさとどこかに行ってしまった。

古本屋で天戯弥勒に会ったあと、私はすぐにここ、W.I.S.Eのアジトに連れてこられた。

なんでこんなことになっちゃったんだ。


理由は私が彼らと同じサイキッカーで治癒能力が使えるから。
そーですよねー、回復員はいた方がいいですよねー。
でもなんで私なんだ。
へー、治癒能力を使えるサイキッカー(キュア使いというらしい)は貴重な人材でなかなか見つからないからですかー。
でもなんで私なんだ。
帰りたい。スゴく帰りたい。
でも帰れる気がしない。ここがどこだかわからない山奥だから…。


最悪だ。なんて運の悪さだ。こんな能力なんて持たきゃよかった。
てかなんで私がサイキッカーだって知ってたんだろう。親にさえ話したことなかったのに……。んー…………わからん。

そういえばメンバーに紹介もされずに一人残されたけど大丈夫かな?

アジトにメンバーじゃない人がいるって思われたらアウトでしょこれ。殺されちゃうんじゃないの?

い、いや、天戯弥勒が事前にW.I.S.Eのメンバーの皆さんに私のことを言っておいたんだろう。きっとそうだ。

そう思ってまずはさっき天戯弥勒が言っていた理子さんを探すことにした。




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