「飛鷹、」




俺は一瞬どきっとした。


あいつが、不動から話しかけてくるなんて。



「…なんだ、」


「んだよ、つれねぇ顔、折角話しかけてやってんのに」



正直俺は、不動が気に食わない。


キャプテンやメンバーを馬鹿にしたり、俺にまでちょっかいを出してくる。


本当に気に食わない。だけど、


何だったんだ、さっきのどきっとしたの、




「へぇ、あんたも悩むんだ、」


「…関係ない」



本当は関係あるのに、



「…なんで俺がお前に構ってんのかって考えてんだろ」



どきっ

まただ、なんでどきどきしたんだよ…



「へへっ、」



不動が顔を近づけてきた。

やめろやめろ、何かが耐えられない、



「それはなぁ、」






お前が好きだからだよ、征矢






そう言って不動は、俺の唇に口付けをした。




きっと、君が好き





(このどきどきは、そんな理由だったんだな、と)