※微裏?のようなよくわからない話







「いだっ」



肩に激痛が走った。
ただ凛に抱きしめられてただけなのに。否、こいつに抱きしめられてたことが原因だ。



「……また噛んだでしょ」
「悪ぃ」
「少しも反省してないくせに」



私の彼氏には昔から噛み癖がある。
首元、二の腕、指先。情事の時には胸元や脇腹、内腿にまで赤い歯形が散る。
凛も無意識にやる行為だから尚更タチが悪い。
しかし、彼が私を噛むときは決まって寂しさを感じているときだ。
小学生のときだけと思いきや、毎年日本へ帰ってきたときも、高校生になってからもずっと同じ癖を発揮するものだからその変わらなさに驚く外無かった。

痛みに対するちょっとした仕返しの意味を込めて、肩に乗る頭を軽く叩く。
すると今まで以上に強く抱きしめられ、息が詰まった。



「り、ん。苦しい」
「お前は」
「ん?」
「お前は、いつになったら俺に溺れるんだよ」
「……私、今でも十分凛のこと好きなつもりだったんだけど」
「足りねえ。……もっと俺を求めろよ」



ただでさえ息苦しいのに、口を塞がれたらもっと辛いじゃないか。
そんな思いをしながらも、彼の荒いキスに必死で答えようとする私のなんて健気なことか。
背中に回っていた手が、服を避け直に肌へ触れてくる。
ああ、これはしばらく夏服着れないな。
頭の片隅でそう思いながら、凛とシーツの海に沈んだ。






「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -