「マコちゃん、好きだよ」
「ありがとう。俺もなまえのこと好きだよ」
「マコちゃんの好きはどういう好き?」
「どういうって、もちろん本当の兄妹みたいに好きってことだよ。なまえは妹みたいな存在だから」
「……そっか」



マコちゃんは優しく私の頭を撫でた。
違うよ。私の好きはそうじゃない。私が欲しい好きはそうじゃないの。

ハルちゃんとマコちゃんと私。幼馴染の私達はずっと一緒だった。
いつもふわふわとした笑顔で接してくれたマコちゃん。同い年なはずなのに私よりずっとしっかりしてて、何があっても私とハルちゃんの味方でいてくれた。そんな彼に恋をしたのは、もうずっと昔のことだ。
私はマコちゃんを所謂恋愛対象として意識し始めた一方、同じ時間の中でマコちゃんは私を「幼馴染」以外に見てくれなくなった。皮肉なものだ。
良くて「兄妹のような存在」。友達以上にはなれても、恋人という域に達することは無い。



「マコちゃん、好きだよ」



どれだけ気持ちを込めたって、きっと彼に届く日は来ないだろう。
それでも、それ以上の言葉を告げられない私は臆病だ。叶わないとわかっているなら、思いを打ち明けない。せめてこのまま側にいたい。
うん、と頷く大好きな彼の笑顔は、私の心にちくりと刺さった。


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