「私は水になりたい」
「どうしたのなまえちゃん」
「七瀬先輩が全然振り向いてくれないんだもん」
「あはは……ハルちゃんだからね」
「そうなの!はー、水はいいよね。一途に好いてもらえるし、隙あらばナカに入ろうとしてくれるし」
「最後あたりが卑猥に聞こえるのは僕の心が穢れてるせいかな」
「どうでしょうね」
「それならさ、いっそ僕に乗り換えるってのはどう?」
「どういう風の吹き回しなの。唐突すぎ」
「そう?僕はずっとなまえちゃんが好きでアプローチしてたつもりだったんだけど」
「えっ」
「やっぱり気づいてなかったんだ、傷つくなあ。なまえちゃんもハルちゃんと同じ状況だね」
「え、だって、」
「わざわざ遠い教室に教科書借りに行くのも、帰りは必ず一緒に帰るのも、こうやって恋バナの相手になってるのも、なまえちゃんの近くに少しでもいたいからなんだよ」
「は、づきくん、」
「僕ってずっとなまえちゃんに一途だし、隙あらば君の中に入りたいって思ってるけど」
「……最後の方はどういう意味で捉えたら」
「お任せします。どう?なまえちゃんにいっぱい尽くす気でいるし、いい物件だと思わない?」
「わ、私には七瀬先輩が……!」
「そっかあ。うーん、まあ、これから意地でも振り向かせてあげるから覚悟しておいてね」


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