「……遙は台所似合うよね」
「何だ急に」
「別に、そう思っただけ」



ついでに水着エプロンも似合う。けど、その姿で客人を迎え入れるのは如何なものか。宅急便来たときもあの格好で出てるのかな。
お昼時、お邪魔した私の分のご飯までついでにテーブルへ並べてくれる遙。いつも通り美味しそうに鯖が焼けている。



「なんでこんな料理上手なの」
「一人暮らししてたら嫌でも少しは出来るようになる。むくれてないで早く食え」
「…いただきます」
「いただきます」
「……おいしい」



悔しいくらいおいしい。私だって家で料理の練習をしてはいるけど、遙ほどおいしいものは作れない。



「遙のお嫁さんになる人は幸せだね、おいしい料理作れる旦那さんで」
「そうか。良かったな」
「良かったなって」
「幸せなんだろ?」



さも当然というように向けられる言葉と視線に箸が止まった。
それって、それって、



「な、なんか私がお嫁さんになる人みたいな、」
「?そういう意味じゃないのか?」
「そんな自意識過剰なこと言わないよ!」
「自意識過剰じゃないだろ。俺はなまえとそうなることしか考えてない」



なんで平常心でそういうことを言えるんだ。というか、遙がそんなこと考えてくれてると思わなかった。結婚とか興味無さそうなのに。
照れ臭さを誤魔化すように、ご飯を多めに口にした。



「俺は奥さんの料理を食べたいから、苗字変わるまで少しは上手くなっておけ。協力するから」
「……ん」





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