機械のココロ

*ロボパロ
*恭弥が機械


きっと機械にココロなんてないんだと思う。



キャバッローネ社の機械研究部で働くディーノは最近こんなことばかり考えていた。
それは他人に言うよりかは自分に言い聞かせる様に、何度も何度も頭の中で繰り返されている。そしてそれは今日も変わらない。
今日もディーノは機械を目の前にそんなことばかり思っていた。

「恭弥おはよう」

恭弥、それはディーノの目の前にいる"機械"の名前だ。ディーノがおはようと話掛けても、答えてくれる日とくれない日がある。でもそれは人間で言う気まぐれではなく、まだ恭弥が完全ではないことを現していた。
恭弥はこの研究所で作られた一番最初の機械だ。まだまだ不完全なことが多く、人型であっても人間と同じ行動はあまり出来ない。

現に言語もまだまだだ。

命令には従うが100%じゃない。表情も固くいつもなにを考えているか分からない。

(考えているなんて変か、恭弥は機械なんだからな)

ディーノはつい恭弥を人間として考えてしまう時があった。まだ見た目が人間なこの機械に慣れていないのだ。

「…命令、」

くい、とディーノの白衣が引っ張られる。

ディーノがそう思ってしまうのは、何も見た目だけが理由じゃなかった。恭弥には感情はないはずなのに、ディーノが命令をしないと白衣の裾を引く習慣があるのだ。
もちろんそんな癖は与えていないのに。

「じゃあ今日はあれを運んでくれるか?」

はい、の変わりの頷きを恭弥はする。

この行動こそ、ディーノが抱く疑問の原因になっていた。



機械にココロなんてない。それなのに恭弥にはある気がするのはなんでなのか、俺には分からない。


2011.04.13

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