say hello to little my friend.

※このお話には不適切な差別表現が含まれる場合がありますが、話の都合上使用しています。
年齢指定を必要とする部分はありません
ただし、ディーノが勃起不全な話の
ちょっと下品なギャグです


恭弥にどの好きなのか分からないと言われて、俺は思わずセックスがしたい、の好きだと言った。が、この発言はかなりまずかったかもしれない。恋人同士の好きでも十分伝わったかもしれないのに、セックスという直接的すぎる発言に恭弥は明らかに不機嫌になった。きっとそれは俺の選んだ言葉が間違いだったことと、校内で発するには相応しくない発言だったからに違いない。しかし恭弥にこれ以上遠回しに言ってもいつまでも伝わらないと思ったのだ。恭弥に好きだと伝えたのは今日が始めててではなく、もう随分と前からになる。

初めは「付き合って欲しい」の一言だった。生徒に恋をするなんて、それも中学生の同性に恋をするなんて、と俺は何度も思った。何度もそう思ったが恭弥への気持ちが無くなることはなかった。
そしてついに告白した俺に対し、恭弥はどこまで? いつ? と予想通りと言ってしまえば予想通りの反応を返してきた。そんな恭弥の反応に本当のことが言えず、じゃあ…と適当なとこに連れ出したのも数回ある。あまりにも伝わらないそれに、実はわざとやられているのではないかと感じるほどだった。しかし恭弥と過ごせば過ごすほど、それがわざとではなく恭弥の素の反応だと分かっていく。恭弥は鋭いか鈍いかの二択で言えば鋭い方であったが、それは風紀に関係することばかりだ。
日常生活の他の事柄、特に恋愛に関しては鈍いどころか愚鈍に近い。言葉を変えて好きだと伝えても、急になにを言ってるいるんだという反応をされた。
食事の合間に告げれば「そんなにこの料理好きなの?」と返され、時には「僕もこれは好きな方かな」と感想にも近い返事が返って来たこともある。食事に限らず、何かをしている時や移動の際に言えば必ずその場所やなにかと勘違いをされた。
恭弥に対しての好きだと言えば、わざわざ好意を口にするなんて面白い人だね、なんて言われてしまった。さらに「知り合いにもそうやって言うようにしてるの?」と続けてきた。
そんな訳があるか! なんでいちいち知り合いに好意を持っています、なんて宣言しなくちゃいけないのだ。いくら国や文化が違うとしてもそんなことをする人はいないだろう。というか居ないと思っているんだが、恭弥は違うんだろうか。むしろ恭弥の中で俺はそんなに異文化な人間として認識されているのだろうか。

「そうゆう意味の好きじゃねーよ」
「…じゃあ、」

この後恭弥の続けた言葉に、俺はさらに言葉を失うことになる。

「生徒としての好き?」

――なんでそうなってしまうんだろうか。

単純に俺はそう思うことしか出来なかった。だから、わざわざ知り合いに好意を持っていますと言わない様に、生徒として好きだよなんて言う必要がどこにある? ありがちなパターンで言うならば、生徒に告白され、それに対して「生徒としての好きだ」と言うことはあるかも知れない。が、過程無くしてそれを言うことはないだろう。しかも今回は逆パターンだ。告白しているのは先生である俺の方で、恭弥はその全てを勘違いしてきた。

「恭弥はわざわざ俺がそんなこと言うと思ってんのか?」
「無くはないだろ」

いやいやいや。無くはないだろって、無いだろ。普通に考えてくれよ。俺を普通の一般的なごく一般的な人間として捉えてくれないか。

「言わねぇよ」
「そう。知らなかった」

そうか、うん。じゃなくって。
話がそれすぎて俺は本題を忘れそうになっていた。俺は恭弥に好きと伝えたいのだ。愚鈍過ぎる恭弥にも分かりやすく、ストレートに通じる告白を俺はしなければならない。恋人になってください? いやなんかそれはやだな…そもそもお願いするもんじゃないし、そんな告白を受け入れられたら後がどうなるか分からない。恭弥のいい様に利用されたくはないからなぁ。
じゃあ恋人になってくれませんか? いやいやそれもおかしいだろ。そもそもなんで俺は敬語で告白をしようとしているんだ。どう言う意味で?  と聞かれるか、なってやる代わりにお金を要求されそうだな…。仕事に関係なくプライベートの意味で、というのが伝わらない気もする。これは絶対ダメだ。なんか俺が俺じゃないし、結局俺が可哀想に終わる。お金も要求されたくねぇし、俺自身も嫌な思いはしない方法がいいなぁ。

「ねぇ何考えてるの」
「え、あ、ちょっとな」
「僕を呼び出しておいて考え事? いい度胸だね。咬み殺す」

急に鋭くなった恭弥の視線に嫌な予感がすると、すぐに金属音がして、トンファーを向けられ慌てて左右に手を振った。

「ちゃんと用があって来たんだよ!」
「じゃあなに?」
「だから好きだって…」
「だからなんの」

話は元に戻ってしまった。ループだループ。俺という人間の告白を巡ったゴールのないループだ。なんのって、そんな考え一体どうやったら出てくるんだよ。素直に受け止めてくれねーかなー。また俺が考え始めれば恭弥はムッとした顔で眉間に皺を寄せた。

「あなたの言うことはよく分からないな」
「いや俺もなんで伝わらねぇのか分からねぇよ」
「ハッキリ言いなよ」

そのハッキリが全然思い付かないのだ。一般的に通用するハッキリでは恭弥には通用しない。俺の想いがストレートに恭弥に伝わる言葉。恋人、恋人になるためには。いや、もういっそのこと恋人になってすることを挙げてみればいいんじゃないだろうか。例えば一緒に行きたい場所とか。
いや、曖昧なのものはやめよう。デートとハッキリ言うべきだな。もしもデートに行こうで伝わらなかったらどうする? デートの意味を恭弥が知らなかったら言ってもしょうがないしなぁ。絶対知らなさそう。というか男女でなくてもすることあるんだね、とか、付き合ってなくてもするんだね、とか言いそう。うわぁ…駄目だこのままじゃ全部失敗に終わる。頑張れ俺! 絶対的で確実な方法を見つけるんだ!

「あ、」
「今度はなに? 早くして」
「セックスしたいの好きだ」
「はぁ?」


という経緯で話は冒頭に戻る。恭弥はものすごく近づいちゃいけないような、そんなオーラを発している…。しかし今度こそは愚鈍な恭弥にも伝わったらしく、少し考える仕草をしている。

「それって、具体的になにをするの?」
「え?」

 ッキターーーーーーーーーーーーーーーー!
恭弥の訳分からない解釈だこれぜってぇ!
 え、いや、あの、恭弥。セックスだセックス。男女のするアレな。愛の儀式というか子供が出来る過程というかなんというか、その前に恭弥って子供がどうやって出来るのか知ってんのか。

「子供がどうやって出来るか分かるよな」
「コウノトリが運んで来るんでしょ。馬鹿にしないでよ」

……。

 馬鹿にはしねぇけど、呆れるぜ。お前保健の授業なにやってたわけ? まさか受けてないとか言うんじゃねぇーだろうな。いや…そう言えば俺はリボーンからそんな話を聞いたこともないし、俺自身恭弥の授業を受けている姿を見たことがない。もしかして本当に受けてないのか、

「ちゃんと保健の授業受けたのか?」
「僕はわざわざ草食動物の群れと授業を受けたりしないよ」
「じゃあ保健の勉強はしたか、」
「僕には必要ない」

 駄目だ。こいつ完全に知らねぇ。あれ、でもだとしたら最初に変な顔してた理由はなんだよ。

「じゃあ手始めに聞くがセックスが何かは知ってるか?」
「校内でその言葉を口にするのは不適切だ」
「言葉としては知ってるんだよな。意味は?」
「…あなたが先生なんでしょ」

 教えなよ、続けられて俺の顔を冷や汗が流れた。まずい、これは非常にまずい。恐らく俺がこれまで恭弥の先生としてやってきた中で、もっとも最難関の大問題だ。無理だ。俺には教えられそうにない、アレがなきゃまぁ乗ったとは思うけど。
「あー、まぁ今のはあれだ。例えだから、そうゆうことも出来ると思えるくらい好きだってことだ」
「好きじゃなくてもすることもあるんでしょ」

 恭弥のその中途半端な知識は一体どこから来てんだよ。誰だよ純粋無垢で可愛い恭弥にそんな不潔なこと教えようとした奴はよー!
そうゆうのは俺が手取り足取り腰取り教えてやるつもりだったんだよ、うう…恭弥お前誰に穢されたんだよ。俺が先生として、恋人としてそいつをシメてくるから正直に言いなさい。

「ねぇ」
「…なんだよ」
「一人で百面相しないで」

 あぁなんかもう駄目だ。さっき勝手に脳内で恭弥と恋人になった気でいたけど、今日はもう絶対無理だな。今日の所は諦めた方が良さそうだ。それに大問題発生だ。どれだけ保健が必要か恭弥に教えてやらねぇと。
ドキドキ☆俺とお前の性教育! しなくちゃいけないからな。そうだ、これは仕方なく教えてやるんだ。知らない恭弥のために。俺が恭弥を手に入れていつかは念願の情事に及ぶために。頑張れ俺、やるんだ俺。そして出来る漢は俺しかいない。

「よし、俺頑張るからな恭弥!」
「なんのこと」


――それから二日後くらい。

「と言う訳だ、恭弥セックスしよう。あ、間違えた。したいから付き合おう」
「それって意味ある?」

 大雑把に教えてから改めて言えば、恭弥は疑問の色を顔に浮かべている。俺の説明はおかしかったのだろうか。恭弥が変に思ったりおかしいと思わない様に、嘘や事実を話さず説明したはずなんだけど、やっぱり恭弥相手には何事もスムーズには行かねぇなぁ。

「意味がないこともない」
「じゃあ答えはノーかな」
「なんで」

 大変だ。やばいこれはまずい展開になってきた。明日には槍とか降るかもしれないおかしい俺はちゃんと説明したのに、なんで恭弥はその答えを出したんだ。もしかして俺の説明が下手だったってことか? 話が話だから部下抜きにしたのがまずかったのか、いやだがしかしこんな性教育してるなんて知られたら俺の扱いがショタコンになるだろ。それは困る。ボスとして困る。男色家と思われたら困る。俺は恭弥限定のゲイで、ゲイになるけどゲイじゃないそんなゲイだ。

「だってあなた僕の身体が目当てなんでしょ」
「そんなこと一言も言ってねぇだろ、」

 身体が目当てって、そんな援助交際でもあるまい。俺は一応先生だからそうゆう分別はあるぜ。

「だってセックスしたいから付き合おうって言った」
「いや、それは恭弥に伝わる様にだな」
「じゃあしなくてもいいの」
「そりゃぁ、いつかはとは思うけど。俺は恭弥の事が好きだから、恭弥の嫌なことはしねぇよ」

 というか俺出来ないしなー。恭弥に言う必要は無いだろうから言わないし、その時までには治す気でいるから言うつもりねぇけど、出来ないからな。安心しろ、だから恭弥そろそろ俺の告白を受け入れようぜ…。

「証拠見せてよ」
「証拠って、小学生かよ」
「ム。じゃあもう絶対あなたの話は聞かない」
「なんで!」

 恭弥は俺の子供扱いに腹を立てたのか、今後は話を聞かないと言ってきた。それは困る。むしろそこまで拒絶されることもしてないから、諦められないし絶対嫌だ。恭弥俺と付き合おうぜ、な?  美味しい物いっぱい食べさせてやるし、そうだまずはイタリアに行こう。イタリアはいいぜ、飯もうまいし俺のファミリーの奴らはみんなイイ奴だからな。いや、例え相手がどんなにイイ奴だろうと気に入らなければ咬み殺すのが恭弥だ。すまいないみんな、ボスのために犠牲になってまずは一回咬み殺されてくれ。

「きょ、恭弥俺のこと嫌いなのかよ」
「そうじゃないけど、好きなんて言ってないよ」
「俺を嫌う理由があるのか」
「……」

 うん、すごい目で恭弥が俺を見てる。

「身体目当ての人なんて好きになっても、僕に良いことないでしょ」
「身体目当てじゃねぇって」
「証拠」
「誠意を誓う」
「やだ」

 恭弥はすごい頑固だ。特にこうやってやだと言い出したら機嫌まで悪くなる。現に恭弥は苛々し始めて、俺の話なんてもう聞きたくなさそうだ。にしても証拠ってなんだよ証拠って、気持ちで示す以外にはできねぇよ。絶対しない自信があるから言ってんのにさ。

「きょ、きょうやくん」
「なにそれいきなり気持ち悪い」
 かくなる上は――あれを恭弥に言うしか、
「ちょっとこれ恭弥にしか教えないから、絶対信じろよ。嘘じゃねぇからな、いいな?」
「早くして」

「俺、勃たねぇんだよ」


 言ったーついに言ったよ俺―、誰にも言ってない秘密言っちまったよー。医者しかしらない事実だぜ、若気の至りで真因的なトラウマがあってさ。俺も男の子だしさ。な、恭弥も同じ男なら俺の気持ち分かるだろ? 安心出来ただろ? さぁ、早くイエスって言うんだ。

「ねぇ」
「ん、」
「勃たないって、何が?」
「え」


振り出しに戻る。


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