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「そ、そんなこと、あったんだ」

謎の少女と出会った次の日、楓斗は普通に登校していた。

「ああ。よくわからないことがありすぎて頭が変になりそうだ」

それほど深刻ではなかったが、気になっていることは確かだ。
あのあと受けた説明も十分でなく理解ができなかったのだ。

―――――――――

「助けてくれてありがとう!ふー様!!」

男たちが追ってこれない場所まで走り、少女を解放した。

「…お前を助けたのはいろいろ訊きたいことがあったからだ」
「はい!なんでも訊いて!」

目を輝かせ、桃色の2つに結った髪を揺らして楓斗を見つめる。

「…お前は誰だ?何で僕を知ってるんだ?」

訊けば、頷き素直に答え始めた。

「私は名前はカイレン、称号は《真朱(まそお)》!で、ふー様を知ってるのは、ふー様が私のご主人だからだよ!!」

少女、カイレンの話を聞いてさらなる疑問が生まれる。

「…僕が主人?それに称号って何だ?」

カイレンは「あうぅ…」と唸ったあとたどたどしく説明を続けた。

「えーっと、ふー様がご主人の理由は私も知らない、かな。称号っていうのはぁ…ふー様を守る人が持ってるもので、《真朱》の他には《竜胆》とか《常磐》とかかな…?」

つまり《竜胆》や《常磐》と呼ばれる人物に尋ねれば、自分を守る者が存在する理由を知ることができるということか。

一人で納得していると、急にカイレンが頓狂な声を上げ走り去っていった。

「…用事!あるの忘れてたっ!ふー様またね!!」
と手を振りながら。



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