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「僕が、ムラクモの統治者?」

セシルが言ったことはにわかに信じられない話だった。

「そう簡単に信じられない話だと思います。ですが事実なのです」

「…僕がその、陽坂家の者だという証拠とかはあるわけ?」

セシルの言う通り簡単には信じられず、疑惑の目を向けてしまう。

「証拠、とは言えないかもしれませんが…。楓斗様、人にはわからない何かがわかることがありませんでしたか?」

…そう言われれば、そんなことがあったような気がする。
出会った人に違和感を感じることがあり、尋ねてみれば異種族の者であることがしばしばあった。

「それは陽坂家の血によるものだと思われます。…僕の憶測ですが」

まだ疑わしいが、セシルが嘘をついている様子がないのでここは信じるしかなさそうだ。

「僕たちは陽坂家を守るという使命があるのです」

セシルが語り終わると、称号をもつ者はそれぞれ楓斗に声をかけた(紫のは楓斗に向けられたものではないが)。


「楓斗様、これからよろしくお願いします」
「ふー様は私が守るよー!!」
「…!ず、ずるいよカイレンちゃん…!!」
「まぁそういうことだからよろしく頼むぜ」


これから、どうなっていくのだろうか。

楓斗は、自分に視線が集まっているのを感じながらため息をついた。



真実出会い
(信じられないのか、信じたくないのか)



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