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見覚えのあるスカート、揺れる三つ編み。
楓斗を守ろうと防御魔術を展開しているその人物は紛れもなく
「…、紫…?」
幼なじみの少女だった。
学術都市であるムラクモにはたくさんの学者や術者が住んでいる。
だが、これほどまで強い防御魔術を展開できる者はいないだろう。
なぜ、彼女が…?
「…大丈夫、大丈夫…だよ。ふ、楓斗くんは…私が、まもるっ…!!」
しかし防御だけでは、向こうの術者は引き下がらない。
楓斗は怪我をしているため術者を攻撃することができず、状況を打開することは不可能だ。
(どうすれば…何かないのか…?!)
楓斗が思案したとき状況が一変した。
「…ぐっ…!」
術者が次々と倒されていく。
「ふー様大丈夫?!」
「なんだ、強い人なんていないじゃない」
2つの小さな影によって。
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