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「…うにゃっ!!」
「うわっ!!」
気がついたときにはもう遅く、避けることができず衝突してしまう。
「いったた…」
尻餅をついてしまった少女は言いながら立ち上がり、自らの赤い服をぱたぱたと 叩く。
念入りに叩き終わりようやくこちらに気がついたようだった。
「あ!あの、ごめんなさ、い?」
楓斗の顔を見て語尾が小さくなる。
不思議に思ったが特に言及せずいると、いきなり手を取られる。
「ふー様!!」
「は?」
彼女は今自分を何と呼んだ?
「…ちょっと、今何て、」
「―――いたぞ!あそこだ!!」
詳細を尋ねようとした声は第三者の声にかき消されてしまった。
「っ…!!」
追われているのはこの少女であるらしく、少女は駆け出した。
楓斗の手を取ったまま。
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