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青い、蒼い空。
海もまた青く、穏やかに揺れている。
今日も変わらず、あおいな。
あおすぎるぜ、ちくしょー。
「…ここにいたのか」
ティエンが空と海を眺めていると、初老の男が現れ声をかけた。
「明日、厄介なのがこちらにやってくる。覚悟しておけ」
男は冷めた目でティエンをちらりと見、去っていった。
「…へぇ」
よっ、と声を出しティエンは立ち上がる。
「ちっとは楽しくなるかも」
目の前にそびえる重厚な建物を見上げ、くすりと笑ったあと ティエンはその建物内へと消えていった。