再会

童貞基い、ポール君を含めて親戚の皆に挨拶を済ませた後、 御真祖様の鶴の一声で手作りのすごろくをやることとなった。 景品として牛やら何やらが並べられる。
お祖父様が何らかの本を出した時、 隣にいたボール君が突然叫び出した。

「気合を入れるのはいいけれど、 叫ぶ時は宣言してから叫んでいただきたいな」
「うぇあ!?えあ!!すみません!!!」

とは言ったものの、 叫んでいないとはいえポールくんだけでなくドラルクまで動揺している様で、 これはきっと何かあるなと思った。
ドラルクと何やらを話し終えてから百面相をし出したポール君の顔を覗き込んでみる。 訴訟だの免許剥奪だのよく分からない単語が時折聞こえてくるが、 目の焦点があっていない。 先程まで血色の良かった顔色は、 青褪め始めていた。

彼らは何かを隠しているという疑念が晴れぬまま、 御真祖様が踏みつけた地雷の爆発音を金切りにすごろくがスタートしたのである。

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テーマ「人外ファンタジー」
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