再会

「ひ…ッ久しぶりじゃないわボケーーー!!!君!!私がどれだけ心配したと思っているんだ!!!音沙汰が無くなって20年だぞ!!!!!総理大臣が何回変わったと思っている!!この20年間何をしていたんだ!!!」
「うっ、そんなに大声出さなくてもいいじゃないか。 こうしてまた会えたんだ。 …にしてももう20年か。するとQS2も新しいカセットが沢山出ているんだろうね」
「QS2どころか今はWITCHの時代だわ!」 
「また面白そうなものが出ているのだね。 久々に一緒に対戦したいな」
「っ、………ぐっ…………はあ…。 全く、…少しは顔を出せ。毎日とは言わないから、 月1くらいは顔を見せてほしい」

終始ニコニコと穏やかに話す美女に、 ドラ公は捲し立てた後諦めたかの様にため息を吐いた。 あの人を煽ってばかりいるIQ詐称自己肯定感バカ高負けず嫌いおじさんが、 観念したかの様に美女を見つめていた。 …なんだか見たくないものを見てしまった。 クソ雑魚おじさんのそんな一面は知りたくなかった、普通に鳥肌がたった。今後金輪際知りたくもない。
美女とドラ公が話始めると、 空気が一変したのが分かった。一族の顔を見ると、 誰もが笑みを浮かべていて、 和んでいるようだった。 いや、 おっさんと美女が話してるのを見ても和みはしないだろ。

「そうだ、 可哀想だからロ……ール君にも 紹介してあげよう。大変不本意だが」
「んだよむかつくな」
「彼はストラ。 私の…………古くからの友人だよ」
「…彼?」

先も感じた違和感だった。 ドラ公は美女のことを二度彼と呼んだ。ということは、 つまり、

「何を勘違いしているのかね、 童貞ポールダンサーくん。 ストラはれっきとした男性だよ」
「よろしくね、 童貞くん」
「ロ!…………ポールですよろしく」

その時初めて、ポールダンスでもやった方がマシだと思った。


ポールダンスでも何でもいいから助けてほしい病から立ち直った俺は、 改めてストラという吸血鬼を見つめる。
やはりぱっと見は女性の様に見えるが、 短く整えられた髪も、 どちらかと言うと鋭い目も、 シャープな顎のラインもよく見てみると男の造形をしている。 言われてみれば確かに男だ。 そう納得したけれど、 一瞬伏せられた睫毛の長さに落とされる影が、笑うぎゅっと挟まる目元が、何もかも信じられなくなりそうだった。

「人間の知り合いは久しぶりだよ。」

そう言って俺の方を見る彼に違和感を覚えた。 何だか、 目線が合ってない…ような。

「だめだぞ、 ストラ。 彼はロリコンなんだ。 あまり見ていては君が襲われるかもしれない」
「誰が襲うかバーーーカ!」

だがそんな違和感も一瞬で、 ドラ公の父親が乱入したことで消え去っていった。

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