我が家はみんな自由人です。何が起こってもおかしくありません。他人に聞かせられない見せれない事実は山ほど在ります。とにかく、我が家は自由人です。故に、おかんの言うことなんて聞きません。僕だって、聞く気もありません。


【自由人】


「だぁぁから部屋ちゃんと片付けろって言っただろうが!」
「片付けただろう。お前の目は節穴か」
「お前の目の方が節穴だわ!これのどこが片づけたんだよ!」


夕方、我が家には必ずと言っていいほどリル兄の雷が落ちます。大抵の理由はロゥ兄が部屋を片付けないからです。確かにロゥ兄の部屋は汚いです。紙が散乱してて服も散乱してて何時のものか分からない″野菜″パンが出てきます。僕の部屋もたいがいですが、ロゥ兄の部屋よりは綺麗です。そう思いたいです。
リル兄は綺麗好きです。リル兄の部屋はだからなのかしりませんがすごくきれいです。それをみた後のロゥ兄の部屋は気分を害するものこの上ありません。

「うるさいぞ貴様ら!!落ち着いて風呂も入れない!」
「それは謝るから服をきろおおおおお!!!!」

リル兄がロゥ兄を怒ると、必ずと言っていいほど葵紀がバスタオル一枚で風呂場から飛び出してきます。男だらけのパーティー内でこんなことが出きるのは、きっと葵紀がぺちゃぱいで特に色気とかがないからだと思います。現に僕は蛍のバスタオル姿しか興味ありません。

「あー!葵紀お前またバスタオル一枚で出てきやがって!いいか、男ってのはロゥ兄さん以外危険で下劣な生き物なんだ!そんな下等種族の前でそんな格好したらだめだろうが!」
「う、うむ。それは悪かった……」
「男を馬鹿にされたことにはつっこまねぇがこれは言わせてくれ。お前も服を着ろ」

そしてその後は夜月が下にパンツだけ、いわゆる彼シャツ状態で出てきます。風呂に行くとき、彼女はいつもそんな格好で部屋から出てきます。僕はやっぱり蛍の彼シャツにしか興味ありません。

「きゃーwwwwww葵紀ちゃんもやっちゃんもなんて格好してるのー!wwwwww嫁入り前のお嬢さんがそんなことしちゃいけません!wwwwww」
「そうだ言ってやれ!けどその前にお前のその腕の中の飯は何だ」

それからレジーがどこからとも無くやってきて意外と正論を叩きつけます。かく言うレジーも、リル兄が作ってたご飯を当たり前のようにつまみ食いします。そのたびに机に頭をぶちつけられています。でも懲りません。馬鹿なのでしょうか。
リル兄が眉間を抑えてため息をつきました。この頃リル兄のため息が多くなってきています。だから幸せが訪れないのかなと思います。

「もー!みんなったら!お母さんがため息ついちゃってるよwwwwwwちゃんと言うことを聞けかなきゃwwwwww」
「誰がお母さんだ誰が」
「はーいおとーさん」

この会話に落ち着くのもいつものことです。その後に葵紀が「お母さん。おとーさんの服を私の洗濯物と一緒に洗濯機に入れないでくれ」と半ば本気の顔でいうのもいつものことです。

「ところでシェルゥ。この頃電気代がひどいんだよな。よってしばらくゲーム禁止」
「鬼!!!」

お母さんは鬼です。悪魔です。だからみんな言うことをきかないんです。
でもいうことを聞かないのは、それ以上に、我が家がみんな自由人すぎるからなんです。


(やだやだやだやだやだ!!)
(わがまま言うんじゃありません!)


自由人






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