ジャック | ナノ



wolf



季節は巡って春がやってきた。
あたしは幼なじみであり親友である隼と忍と地元の高校に受験した。それで見事に合格。晴れてあたしも高校生になれたわけで。

あたしは昔から人付き合いが苦手だったために、隼か忍と同じクラスがよかったんだけどそれはかなわなかった。三人とも違うクラス。あたしは不安しか感じなかった。
あたしの席は窓際の一番後ろだった。そこに座って窓の外を眺める。ここからだと雑木林が見えた。木までは見えないけど、あの雑木林にあいつがいると考えたら少しだけ気分が晴れた気がした。


「えっと、よろしくな」


ふいに声をかけられて隣を見てみると、燃えるような赤髪の少年がいた。
あたしは少し戸惑いながらもなんとか″よろしく″と、返す。
少年はうれしそうに笑った。


「俺、永久。あんたは?」
「6……」
「6、か。よければさ、友達になってくれないか?」
「え、う、うん。いいよ」


あたしから了承の言葉を聞くと、少年ーー永久がまたうれしそうに笑った。





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