ジャック | ナノ







昨日はとても豪勢な一日だった。屋敷が大きいから何でもかんでも豪華で、派手で、まるで高級ホテルに泊まった気分だった。
翌朝の朝食はなぜかあたしと雷しかいなかった。
なんで?と雷にきくと、肩をすくめられた。


「みんな夜型だから。相良に至っては日光を浴びたら死んじゃうしね」


今は棺桶で寝てるよ。そう当たり前のように言ってから雷はパンにかじりつく。
棺桶ということは、相良さんはもしかしたら吸血鬼なのかもしれない。ということはあたしは吸血鬼の屋敷に泊まったのか。後から少しだけ恐怖がおそってきたが、それでも相良さんの人柄がそれを薄めてくれた。何かとあたしのことを気にかけてくれる人だった。色んな話を聞かせてもらったし、たくさんの本も見せてくれた。一緒にいてすごく落ち着く人だなと思った。
とにかく、しっかりとお礼の品を用意してちゃんとお礼も言わないと。それから、ジャックの話も聞かせてもらわないとな。

あたしは残ったコーヒーを飲み干した。少しだけ苦い味が口の中に広がっていった。




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