ジャック | ナノ






永久はよく笑う奴だった。クラスにもすぐに馴染んでいたし、明るいしめんどう見がいいし。これぞ、クラスの人気者って感じで。永久のお陰であたしも、クラスに馴染むことができた。
あたしが入学してから、一週間近く経ったころだ。


「6ちゃ〜ん」
「忍!?」


忍があたしのクラスにやってきた。知らない金髪の男の子をつれて。忍と隼とは一緒に帰っているけど、お互いのクラスに行くことはそうなかった。忍が、あたしのクラスにくるのは初めてだ。


「どうしたの?」
「雷が〜、6ちゃんに会いたいって言うから〜」
「雷?」


雷というのはこの金髪の少年のことだろうか。あたしと目が合うと、雷がにこりと笑った。


「忍がずっと6の話してたからどんな子なのかなと思って。俺、雷。よろしく」
「う、ん。よろしく」


何だろう。今一瞬だけ寒気が走った気がした。気のせいかな?


「おーい6、次移動だぞ」


投げかけられたクラスメイトの声にはっとして時計を見た。授業開始まで後五分。あたしは声を掛けてくれたクラスメイトに向かって声を上げた。


「あ、うん今行く!ごめん、移動だからーー」
「大丈夫だよ〜。今日しのも隼もクラブで遅くなるから〜先に帰ってて大丈夫だからね〜」
「特に予定無いから、教室でまってるよ」


了解、と頷いた忍を確認してからあたしは教材を取りに急いで教室に戻っていった。



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