ネタ | ナノ



LD1/ルキーノ

「ドン、おかえりなさい!!」

わんわん、なんて幻聴が聞こえてくるのはきっと俺だけではないはずだ。
スリリングな脱獄劇を繰り広げ、どうにか戻ってきた俺たちは、仮拠点のデイバンホテル最上階にてこれからのことを話し合った。
ひとまず俺はルキーノについてシノギを見学させてもらうことにし、部屋を出ようとドアを開けた時だった。
俺と同じくらいの身長に、クリーミーブロンドの髪。
男にしては大きな瞳いっぱいには、自身の上司への最大限の好意が隠れもせずに表れていた。

「おう、シルヴィア。俺がいない間は大丈夫だったか?」
「もちろんです…って、言いたいんですけどすみません、一部GDの奴らがのさばっていて…」
とうせん
先程までの元気の良さはどこにいったのか、しゅん、と目に見えて落ち込む目の前のワンコ。
それの頭にその大きな掌をのせ、ぐしゃぐしゃに撫でるルキーノは、ニヤッと笑ってみせた。

「一部、なら問題ねぇよ、よくやったな。その辺の報告も合わせて部屋で聞かせろ。いくぞ、」
「はい!」

あ、復活した。
垂れていた耳と尻尾は、ご主人様に撫でられ褒められると途端に持ち上がって、部屋の中にいる他の幹部達にお辞儀を一つするとルキーノに従って部屋へと向かっていく二人に置いてかれないよう、俺も室内にいるベルナルド達にじゃあそういうことで、と一言断ってから足早に部屋を出てその背中を追うのだった。

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ルキーノさんの所の忠犬。
ボスも他の幹部も好きです。でもドンはもーっと好きです。わんわん!

2018/05/13

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