キスより甘く囁いて(3/4)
―――11月11日は、秋羅さんの誕生日
私達が付き合うようになってから初めての記念日は、秋羅さんの家で二人だけでお祝いしようって決めていた
「まあ、当日になればみのりの事思う存分独り占め出来るからな‥‥‥こんな風に、ね?」
秋羅さんは視線を私に向けたまま、梳いていた私の髪を掬ってそっと口付ける
「あ、秋羅さん!?」
視線に込められた熱と一緒に、髪に触れる秋羅さんの唇の感触まで伝わってくる気がして、私の体がビクッと跳ねた
「‥‥‥ふっ」
それに気づいた秋羅さんが小さく噴き出すのに、私の鼓動はますます早くなる
(もう、こういうのって普通にキスされるより恥ずかしいのに‥‥‥!)
今からこんなに翻弄されてて、11日になったら一体どうなっちゃうんだろう?
その疑問の答えを、当日私は身を持って知る事になる
「みのり、愛してるよ」
甘くて意地悪な、この言葉と共に―――
―END―
⇒あとがき .
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