Precious・前編(2/3)
―――今から半月ほど前
歌番組で共演した時、本番直前のJADEの控え室で
『誕生日は久しぶりにみのりちゃんの手料理が食べたいな‥‥‥それに』
『夏輝さん?』
『あ、いや‥‥‥それに‥‥その方が、みのりちゃんに好きなだけ触れられるしね』
『な‥‥』
そして、抗う暇もなく唇に一瞬触れるだけの軽いキスが落とされる
『夏輝さん!?』
『ふふ‥‥みのりちゃんがあんまり可愛いからつい、ね?』
『―――っ』
いくら二人きりだったからって、いつ他の皆さんが帰ってくるかも分からないのに
(まさか、夏輝さんが控え室であんな大胆な事するなんて‥‥)
その時の感情まで思い出してしまって、私は両手をパタさせてほてった頬をあおぐ
と、私の足首の辺りにするりと何か柔らかい物が触れた
「きゃっ!?」
とっさに悲鳴を上げて下を見ると、私の足元にお行儀よくお座りしたミィちゃんがいた
「にゃあーん」
「あ‥‥‥‥ミィ、ちゃん?」
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