俺だけのモノ(1/3)
夏輝さんのマンションで。
今日、二十歳の誕生日を迎えた私のために夏輝さんは、ささやかなパーティーを開いてくれた。
「今度、一緒に飲もうか?」
「え、いいんですか?」
「モチロン。‥‥みのりちゃんがお酒入ったら、どんな風になるのかなと思ってさ」
「もう、夏輝さんっ!私は見世物じゃないですよ?」
「あははは‥‥ゴメンゴメン」
すっかりむくれてしまった私を、夏輝さんは背中から抱きしめる。
その腕にだんだんと力が込められてきて、私は肩越しに夏輝さんを振り返った。
「夏輝、さん‥‥‥?」
俯いている夏輝さんの表情は見えなかったけれど、柔らかい金髪から覗いた彼の耳は真っ赤だった。
「‥あの、さ。こういう事俺が言うのもアレなんだけど」
「はい?」
そのままの態勢でしばらく黙り込んでいた夏輝さんは、パッと顔をあげると私の顔を覗き込んだ。
その顔は、耳と同じくらいに真っ赤になっていて。
「酒だけじゃなくて、‥‥みのりちゃんがこれから経験するいろんな事、一番に共有するのは俺でありたいんだ」
「夏輝さん‥‥」
私の顔も、みるみる赤く染まっていく。
「‥‥なーんて、俺独占欲強すぎだよなー」
私から視線を外して、自嘲気味に笑う夏輝さん。
私は体をねじって、そんな夏輝さんの頬にキスをした。
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