太陽を抱く夜〜Prologue2〜(2/3)
その口調はいつも通り淡々としていて、俺が見てもさほど疲れてはいないように見える
(これでもう丸2日寝てないってんだから、どういう体の作りしてるんだか‥‥)
「まあ、同じくらい充実もしてるけどね」
そのうちリーダー権限で強制的に寝室に放り込んでやろうと思いながら、俺は新しいタバコを取り出した
テーブルの隅に置かれていたリモコンを操作して、部屋に備え付けられたテレビをつける
そして、しばらくは何となく音声を聞き流していたのだが
「えっ!?」
ふいによく聞き慣れた声が耳に飛び込んで来て、俺は慌ててスクリーンに目を向けた
そこに映し出されていたのは、しばらくぶりに見るみのりの姿
どうやらニュース番組の芸能コーナーに、ドラマの番宣で出演しているらしかった
「彼女も相変わらず忙しそうだな」
春も書類を繰る手を止めて、テレビに顔を向ける
「確か‥‥恋愛小説が原作の純愛ラブストーリーだったか?局でもかなり力を入れているようだったし」
「ああ、みのりもこの役が決まってからはずっとその本を持ち歩いて読み込んでいたから」
俺と春が話している間に、テレビ画面はドラマの宣伝用に編集したダイジェスト映像に切り替わっていた
***
大学のキャンパスを女子大生に扮したみのりが歩いている
その彼女を走って追いかけてくる白鳥隼人
強引に抱きしめられて、とまどい抵抗しようとするみのり
けれどやがて二人は熱く見つめあって‥‥‥‥
***
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