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人気アイドルの裏の顔?(2/3)


業界関係者にWAVEのリーダー、本多一磨について尋ねたら、そのほとんどがこんな風に答えるだろう。



『真面目』『努力家』
『しっかり者』



こういった答えも間違いでは、ない。





けれど。



彼にはWAVEのメンバー達しか知らない、もう一つの顔がある。





国民的な人気を誇るアイドル、WAVEはいつも忙しい。



分刻みのスケジュールをこなす毎日の中の、わずかなプライベートタイム。



その貴重な時間に。



WAVEのメンバー達は恒例の『DVD鑑賞会』を開催するため、一磨の部屋に集まっていた。



一磨が趣味で集めたDVDはその数量、ジャンルや年代も広範囲に渡っていて、ちょっとしたレンタルショップ並の質の高さを誇っている。



そのため、メンバー達、特に翔は何かと理由をつけては一磨の部屋に入り浸っていた。



今日だって、観るDVDを決めてからもコレは〜、アレは〜と棚を物色している有様だ。



ちょうどそこに、コーヒーをいれにキッチンに行っていた一磨がトレイを手にリビングに戻って来た。



リビング中に素早く視線を走らせた一磨の眉が、ぴくりと動く。



「おい、翔……お前、出したやつはちゃんと元の場所に戻せよ



「お、おう。悪いな……」



「亮太……それ、パッケージの向きが違うだろしまう時はちゃんとしろ



「……はーい」



首をすくめた亮太がペロッと舌を出す。



「亮太、お前なあ…」



茶目っ気を出す亮太にお説教モードになりかけた一磨を見て、京介が慌てて声をかける。



「一磨〜、…………ってヤツどこにある?」



「え?……ああ、それなら………」



棚を見る事もなくスラスラと答える一磨。



一人、リビングのソファに腰掛けて文庫本を開いていた義人が小さなため息をついた。






((((…ったく、こんのDVD奉行が))))








(なあ今度、彼女にこっそり教えちゃおうぜ



(あ、それ面白そう



(だろ〜



(翔、亮太も……やめた方がいいと思う)



(?……何でだよ、義人)



(これだからお子様は……下手な事すると、お前が仕事で困った時にフォローしてもらえなくなるぞ?)



(京介、お子様って何だよ!……って、え?)



(あ、それ面白そう……翔、頑張って



(亮太〜





「…………お前ら、真面目にDVD観る気あるのか?」



「「「「……も、もちろん、リーダー」」」」



「?」



この日の夜は、いつになく静かに過ぎて行ったのだった……。




→あとがき

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