「愛してる」のその後は？(2/3)

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「みのり？」


「‥‥‥‥‥‥‥」


耳元で諭すように名前を呼ぶと、観念したのかゆっくり目を開く。


「冬馬さんが‥‥」


「俺、が？」


そこでひと呼吸おいて、みのりは続けた。


「髪‥‥‥縛ってる、から‥‥」


「‥‥‥‥‥‥‥は？」


一瞬、何を言われたのか分からなかった。


「‥‥か、み？」


「その‥いつもと雰囲気が違うから‥‥‥私、ドキドキ‥しちゃって‥‥」


「‥‥‥‥‥」


しどろもどろになりながらも、何とか説明しようとするみのり。


いつもの彼女より格段に色っぽい、うるんだ視線が俺を射ぬく。


「っ！」


そんな仕草一つだけで、とっくの昔にみのり不足が限界に達していた俺の理性は、あっけなく崩れてしまった。


こうなったらもう、俺自身にだって止められない。


ずっと触れたくてたまらなかった彼女の体を、俺の腕の中に閉じ込める。


「きゃっ‥と、冬馬さん！‥ダメっ‥神堂さん達が戻ってきたら‥‥‥ん‥んんっ！」


「‥‥‥‥‥‥‥」


俺以外の男の名前を出す唇を強引にふさぐ。


今はたとえ春や夏輝、秋羅のそれでも、許せない。


「ん‥‥は、ぁん‥‥」


華奢な体を強く抱きしめていると、やがてみのりの体から力が抜けて、俺の胸にもたれる格好になった。


「ふうん‥‥‥キスはだいぶ上達したんじゃないか？」


たっぷり時間をかけて、その柔らかな感触を存分に味わってから、ささやく。


途端に真っ赤になるみのりの顔。


「そ、それは冬馬さんが‥‥‥」


途中で言い淀むみのりの頬に、今度は軽く触れるだけのキス。


「俺が、何？」


「〜〜〜〜〜冬馬さんて、たまにものすごく意地悪ですよねっ!!」


何をいまさら。


何にも知らなかったみのりに、キスの仕方から教えたのはこの俺だって事‥‥‥忘れちゃいないだろ？


それに。


「みのりはその“意地悪な男”に惚れてるんだよな？」


「っ!!」


恥ずかしそうに顔を逸らす彼女は、それでも俺をふり解こうとはしなかった。


‥‥‥君が可愛すぎるのが悪いんだよ、みのり？


ホラ、よく言うだろう？


「好きな子ほどイジメてみたい」って。


ちなみに、俺の君への気持ちは本物だよ？


だから、これからもたっぷりイジメてやるからな？



みのり、愛してるよ。



→あとがき

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