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'愛してる'って言わせてみたい(2/5)


そして今日。



私も冬馬さんも明日はオフなので、彼のマンションで久しぶりに二人の時間を満喫していた。



冬馬さんの部屋は最上階にあるので、リビングの窓からは見事な夜景が臨める。


私はワンピースタイプのパジャマを着て、その夜景を眺めていた。



‘愛してる’かあ……。



冬馬さんの気持ちを疑っている訳じゃないけど、真名さんと話した日から何となく頭の隅に引っ掛かっていた。



(愛は与えるものって言われても……)



正直私には、恋と愛の違いなんてよく分からない。



それでも。



(真名さんにも、いろいろアドバイスしてもらったし……うん大丈夫、大丈夫…)



「何ボンヤリしてんの?」



「きゃあ!」



突然耳元で囁かれて、私は悲鳴をあげてしまった。



慌てて振り返ると、いたずらっぽい目をして冬馬さんが私を覗き込んでいる。



私がプレゼントした青いストライプのパジャマを着ているけれど、上衣は羽織っているだけなので、鍛えられた逞しい上半身はほとんど露になっていた。




「もう……驚かさないでよ」



微妙に目を反らしながら少し拗ねた口調で言うと、冬馬さんは左腕で私の体を抱き寄せた。



そして右手を私の顎に添えて上向かせる。



「俺は何度も呼んだよ?……ねえみのり、恋人の声すら気付かないほど何を考えてたの?」



男の人だとは思えないくらい色っぽい目に至近距離で見つめられて、私の鼓動が速くなる。



私が答えないでいると、冬馬さんはスッと顔を近づけてきた。



「それとも、待ちきれなかった?」



言いながら、私の耳のすぐ後ろをペロリと舐める。



「やっ……冬馬さん!」



弱いポイントを不意打ちで刺激されて、私の体がビクっ、と震える。



その時、冬馬さんが意外そうに呟いた。



「みのり、コロンか何かつけてる?」



「あ……ふふ、うん。ドラマで共演した女優さんに、メイクとか香水とかいろいろアドバイスしてもらったの」



冬馬さんの胸にもたれながら、笑う。



「へえ……アドバイス、ねえ」



「みのりちゃんにはこのフレグランスが合うって薦められたのを、少しだけつけてみたんだけど」



…………どう、かな?



私は少しだけ体を離して、冬馬さんの顔を覗き込んだ。








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