Gallery/novel | ナノ


世界でいちばん。(4/15)


JADEの新曲が発売され、食事に行った後、ずっと別の仕事で会えずにいた、

みのりとようやく番組の収録が重なり、


今日、久しぶりに会えるということで、楽しみにしていた。

俺達のリハの方が先で、局入りが早かったため、リハの時間が後のみのりは、まだ来ていなかったのだ。



(…もう、そろそろ楽屋入りしたかな?)



このまま、待っていれば律儀な彼女のことだから挨拶にくるのは、分かってるけど…。



(……ここに来たら、絶対二人きりには、なれねぇもんな…。)



「ちょっと、煙草吸いに行ってくるわ…」



「煙草ねぇ…どこまで吸いに行くんだか…俺も一緒に行っちゃおっかな〜?

会いたいのは、俺達も一緒なんだからさ〜

独り占めはよくないと思うんだけど?」




みのりに会いに行くのを見抜き、ニヤニヤしながら、からかってくる冬馬にウンザリしながらやり返す。


「まぁ、この局来るの久しぶりだしな…

しょうがない譲ってやるよ…

独り占めしたい程、冬馬がここの喫煙所好きだなんて思わなかったな…」




「はぁ!?俺、ここの喫煙所なんて別に好きじゃねぇよ…
俺が言ってるのはだな〜」


コンコン


「すみません、井上さんいらっしゃいますか?」



「はい、いるけど…」



冬馬が全てを言い終わらないうちに、ノック音ともに焦った声で呼ばれ、



訝しく思いながらドアを開けると青ざめた顔のスタッフが入ってきた。



「あの…井上さんのベースこちらには、ありませんよね?」



「いや…さっき、リハして預けたままだけど…どうかしたの?」



「それが…お預かりしていた、井上さんのベースが見当たらなくなってしまいまして…

申し訳ありません!すぐ探しますので!」



平謝りのスタッフの様子に奥にいた、春と夏輝も出てきた。


「何かあったの?」



「秋羅のベースが無くなったらしい」



「ベースが?」


リハの後、預けてきたのを全員が見て知っているから、無くなるハズはない。


……が、久しくなくなってはいたものの、こういうことは初めてではなかった。


「秋羅…なんか誰かの恨み買うようなことやったワケ?」


「いや…そんな覚えはねぇな…」


「…とりあえず行ってみよう…夏輝」


「ああ、マネージャーに連絡して一応、別のベースを持ってきて貰えるよう頼んどくよ」

.


[] [] [back to top]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -