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その心に酔わされる(4/7)




テレビ局に着き電話をかけ待っていると
秋羅さんがやって来た



「お疲れさまです!すみませんお仕事中なのに呼び出したりして……」


「いや…待機中だったし…それに会えると思ってなかったから嬉しいよ…」


そう言って微笑んでくれたのが嬉しくて思わず笑顔になる。




「私も会えてすごく嬉しいです……それで…えと、これなんですけど…


私、明後日からドラマの撮影で当日会えないので…バレンタインデーのチョコレートです…

あ、お口に合うか分からないんですがウイスキーボンボンです

あ、あんまり甘くハズなんですけど」





「…食べてもいい?」



「あ、はい!」




そう言って包みを開ける秋羅さんをどきどきして見守っていると


「へぇ…アンソンバーグか…有難う、旨いから…結構好きなんだこれ」




包みを剥がしボトル状の上の部分を食べ、中に入っているお酒をゆっくりと飲み干した


(ああ…やっぱり食べたことあるんだ…)


ちょっとがっかりした気分になりながら見守っていると秋羅さんが気づき、

首をかしげながら聞いてきた。




「なんでそんな浮かない顔してるの?」


「え?別に浮かない顔なんて」


「してるだろ…ほら」



そっと顎に手が触れ、

上向かされ秋羅さんと見つめ合う形になった。

視線の強さに耐えられなくなり


そっと目を伏せ


「……やっぱり食べたことあるんだなぁと思ってしまって……」


と小さな声で呟くと一気に顔が近づき唇が重なり


口一杯にチョコレートのビターの甘さと芳醇で濃厚なアルコールの薫りが広がった。


チョコレートの甘さとアルコールよりも甘くて濃厚なキスに酔わされ

息が上がりゆっくりと唇が離れた



「確かに…前にも貰って食べたことあるけど



はづきから貰って食べた今のチョコレートが一番旨かったよ…



俺の心を本気で酔わせられるのははづきだけだよ…



はぁ…全く…仕事前にこんなに煽られといて、生殺しは無理だな…


ちょっと遅くなるけど家で待っててくれる?

しっかり責任とって貰うからな?」




「はい…」


そして、私は秋羅さんのお家へ向かった。

.


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