trick or treat 〜JADE+〜(11/13)
賑やかだった打ち上げパーティは終わりを告げ、
パーティの後片づけも済み宿泊するホテルに移動することになった。
「さて、じゃあ俺達も行こうか」
「ああ」
「じゃ…みのりちゃんお疲れさま…冬馬、ほどほどにな?」
「余計なお世話だよ」
神堂さん、夏輝さん秋羅さんはお城から出たのに
冬馬さんは、私の腕を掴んだままその場から動こうとしない
(まだ、冬馬さんはここにいるつもりなのかな?)
と思い仕方なくその場で、
「お疲れさまでした、お休みなさい」と声をかけた。
皆さんの姿が見えなくなると冬馬さんはドアをしめ、
ふわりと私を抱き上げた。
「と、冬馬さんっ!?」
冬馬さんはお姫様だっこしたまま、スタスタと階段を上り始める
さっきまでは、たくさん人がいて、賑やかだったお城が静まり返り昼間の荘厳な雰囲気が一転どこか不気味な雰囲気を醸し出している。
「あ、あの冬馬さんどこに行くの? まだホテルに移動しないんですか?」
不安になり声をかけると冬馬さんは、
フッと妖艶な笑みを浮かべ私を見つめてきた。
(あ、あれ?冬馬さん撮影終わった時に、カラーコンタクト外さなかったっけ?)
記憶を探ってみるが、打ち上げ中はいつも通りに戻ってたはずで…ついさっきまで普段通りの色だったはずの瞳が今は赤い。
(あれ?)
カラーコンタクトよりも鮮やかで妖しい輝きを放つ瞳から目が離せない。
「…ホテルには行かない。今夜は二人でここで過ごす……もしかして怖い?」
「う…ちょっとだけ、何か出てきそうな雰囲気ですよね?」
そう言うと冬馬さんはクスクスと笑いながら答えた。
「大丈夫だよ…俺達以外には何も住んでなかったから」
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