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trick or treat 〜JADE+〜(4/13)

リムジンが到着したのは、とあるヨーロッパの風景が広がるテーマパークに中世にヨーロッパで建てられ、日本に移築されたという本物のお城だった。


リムジンが到着すると、直ぐにメイクの人が乗り込んで来てメイクを直してくれた。


「みのり様、お疲れさまでした。

こちらがロケ地でございます、車から降りられる時から撮影開始となります。」


「え!?でも打ち合わせとか全然してませんよ?」


「はい、あくまでも自然体でということで、指示についてはこちらのイヤホンから逐一JADEの皆様が出されるとのことです」


そう言って手渡された小さなイヤホンマイクをメイクさんが目立たないようにセットしてくれると直ぐに神堂さんの声が聞こえた。


『みのり着いた?…お疲れさま。ついて直ぐで悪いがこのまま、車から降りる所から撮影開始する。


車から降りたら、そのままお城のドアを開けてまっすぐ奥まで入って来て。俺達はそこにいるから…中がうす暗いから足元に十分気をつけて』


「はい、分かりました」


(よし!頑張ろう!)

気持ちを切り替え集中する

『執事』さんにより開けられたドアから降りてお礼をいうと


「どうぞ、お幸せに」と恭しくお辞儀をすると『執事』さんは


「お幸せにって!?」と質問する隙も与えず、あっという間にリムジンに乗って去ってしまった。


あまりの素早さに呆気にとられたけれど、『もう撮影中なんだ!』と驚きを隠して、転けないようにと注意しながら地面に敷かれた赤い絨毯の上をお城のドアへと歩いた。

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