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カワイイあの娘は誰のもの?(1/3)

とあるテレビ局。


宇治抹茶が司会を務める、人気バラエティー番組の撮影スタジオの休憩コーナーに。


宇治抹茶の一条慎之介と、トロイメライのマネージャーである佐藤堅司の姿があった。


トロイメライは新曲をリリースしたばかりで、今日はその宣伝もかねてのゲスト出演だ。


収録は順調で、今はセットを変更するために出演者は休憩時間となっている。


はず、なのに。


なぜか、休憩コーナーにはいつまでたっても他の誰かがやって来る気配はない。


このまま二人とも黙りこくっているのも、居心地が悪すぎる。


「え、と‥‥佐藤さん、でしたっけ?トロイメライのマネージャーさんなんて、めちゃくちゃ忙しいんやないですか?」


慎之介の言葉に、缶コーヒーを飲んでいた堅司が苦笑する。


「ははっ。そういう一条さんかて売れっ子芸人さんやないですか。ゆっくり寝る時間もないんとちゃいます?」


「ウーン、寝るのは空き時間で何とかなるんやけど。さすがに最近は、女の子とデートする時間が全然取れなくて困っとるんですよ」


グルグルと肩や首を回しながらサラリと返す慎之介に、堅司は危うくコーヒーを噴き出しかけた。


「デ、デートって‥‥一条さん、特定の彼女とかいてるんですか?噂だけならいくつか聞いてますけど」


‥‥彼女いない歴〇年の堅司のセリフに多少のトゲがあるのは、仕方ない事だろう。


「ん〜?‥‥まあ、気になる子はおるかな」


慎之介はそれを気にする風もなく、休憩コーナーから身を乗り出してスタジオ内の様子を見渡した。


その視線の先を何となく追った堅司は、目を見張った。


慎之介の視線の先にいたのは、スタジオの壁際で談笑するトロイメライのメンバー達。


と、言う事は。


(まさか、一条さんの気になる相手って‥‥‥ちとせなんか?)








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