小説 | ナノ
 


「やぁリリー!僕の愛しのリリー!今日も綺麗だね!!」

「はいはい、おはよう」



あの有名な児童書『ハリー・ポッター』のリリー・エヴァンスに成り代わっただなんて誰が信じようか。

いつもと同じように寝て、いつもと同じように朝起きたら赤ん坊になっていたんだから、もうビックリどころの騒ぎじゃない。なんとか自分と折り合い付けて生きてきたが、この世界で十数年過ごしたここで、問題が発生した。なんと私は、リリー・エヴァンスに成り代わっていたのだ。最初は気付かなかった。しかし、11歳の誕生日、ホグワーツからの手紙で心の中で燻っていた疑問が確信に変わった。それからの私は酷く、鬱状態に陥り両親は困惑した。ペチュニアも泣き出しそうな目で私を見ていたのを覚えている。生前(今ではもう前世だが)好きだった本の登場人物が、自分だなんて夢のようだったし、夢であってほしかったが、残念なことに現実だった。


しかし、自分の心の内をぶちまけたお陰か、物語通り生きようだとか、そんなこと考えなくなった。

前向きに考えると人生なんとかなるものだ。それにペチュニアは可愛いし、両親も意外と優しかった。


「あぁリリー、思い耽る君も素敵だね…!君の美しさの前では、例えアフロディテでも霞んでしまうよ!!」



…そして、もう一つ問題がある。



「いい加減にしとけよ、ジェームズ。困ってんだろ」

「なんだいシリウス!僕のリリーへの愛を止めないでくれ」

「愛、ねぇ…。それで喜んでるなら問題ねぇけど、迷惑そうにしてんだろ。いい加減止めとけって」




私がシリウス・ブラックのことが好きだということ。





成り代わりという設定が好き過ぎて書いてしまった\(^0^)/
後悔はしていない。

2013.01.26



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