神様に向かって


…何これ、何なのこれは!?
笑えない冗談は止めてよっ!!!

放った言葉とともに涙がポロポロ顔を伝い落ちてゆき、否定の言葉を上げれば上げるほど赤ん坊もだんだん激しく泣き始めていく。その声が私に「お前は赤ん坊に逆戻りしたんだ」と現実を突き付ける。辛く大変なこともあったけれどそれ以上に楽しいこと、嬉しいこと、思い出いっぱい詰まった大事な17年間。それなのに‘私’にはもう二度と戻れない、親にも兄弟にも友達にも会えないんだと思うと涙が止まらない。

その涙をそっと拭ってくれた温かい手が、あった。


「あらあら、××。そんなに泣いてどうしちゃったの?」


涙で潤んでよく見えなかったが涙を拭ってくれた人は、栗色の軽くウェーブがかった髪の毛が優しそうな印象を与える女性だった。拭っても拭っても涙が止まらない私をベビーベッドから抱き上げトントン、とリズムをとるように軽く背中を叩く。


「大丈夫、大丈夫よ。怖いことがあっても××にはママとパパがついてるからね」


その言葉にまたポロリと涙がこぼれた。




2011.06.05

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