神様に向かって


顔に置いた手からぷにっ、と可愛らしい音が聞こえ、思わず嫌な予感を感じバッと目の前に手をかざした。

そこには小さな可愛らしい紅葉のような手が二つ。


「…ぅ?」


…手、が小さい?
おかしい、おかしい、おかしい!!
これは17歳の少女の手の大きさじゃない!自分の身に何か異変が起きた不安と緊張で口の中が乾燥していく。ゴクリと無理矢理唾液を飲み込み覚悟を決める。

ぐにぐに、みょーん。

小さな手で頬を摘んで伸ばしてみたがかなり痛い。よく夢だと摘んでも痛くないというが、頬を摘んで痛いと言うことはこれは夢じゃなくて本当に起きた現実なんだと気付かされた。夢を現実と認めた瞬間、顔がサッと青ざめ背筋からは嫌な汗がツーッと流れていく。

…さっき聞こえた赤ん坊の声は私の声だったということ?




2011.06.05

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