神様に向かって唾を吐け
太陽が地平線から顔を出してもう数時間以上がたったのだろう。窓から空を眺めるとかなり高い位置まで昇っている。今日はテストが近いから図書館で勉強しようね、って友達と約束してたのに寝坊してしまったかな。寝坊で遅刻したなんていったら絶対怒られる。…やばい、すぐ起きて準備しないと!
「ぁう、」
…今聞き慣れない、まるで赤ん坊のような声が聞こえたんだけど私の気のせいであってほしい。兄弟は二歳上の兄が一人いるだけで小さな子の扱いは殆ど無く、もし泣かれたりしたらこっちが泣きそうになることは確実だろう。とりあえずこうやって考えても埓があかないのでベッドから起き上がろうとしたその時、違和感を感じた。
起き上がれない。
もう一度挑戦するが呆気なく失敗で終わる。いくら高校入ってから運動していないからって自分の体を支えられない程筋力が衰えるはずがない。やってられない、と深く溜め息をつき体を起こそうとして失敗した不甲斐ない手で思わず顔を覆った。
2011.06.04