頂き物 | ナノ







 
こんなに華やかな場所は私には似合わないとわかっていたはずなのに。


「どうして私も呼ばれたのかしら」


城みたいな広い会場にキラキラとしたドレスや飾り。高級な料理やワインまで出されていた。

私はボンゴレファミリーの秘書として身を置いてもらっているだけで、こんなところに行きたい訳ではない。むしろこういった場所は好きではない。


「それも今夜の主役も出て来ないみたいだし…」


今夜はイタリアでボンゴレ独立暗殺部隊、ヴァリアーのボス、XANXUSのお祝いとして開かれたパーティー。どうやら10月10日はヴァリアーのボスの誕生日らしい。

やっぱりボンゴレアジトにいるべきだったと後悔してしまう。

人混みの中にいた私は窮屈で仕方なく、広々とした場所はないだろうかと見付けたのがベランダ。


「風、気持ちいい…」

そう言ったものの少し時間が経てばすぐに体が冷えそうだ。


「……おい、」

「!、誰かいたんですか?」


声がした方へと振り向けば、背の高い男性がベランダの隅に立っていた。どうやら私のいた角度からは見えない場所にいたようだ。


「てめえ誰だ?見かけねー顔だ」


初対面の相手に敬語を使わないその男性の瞳は見とれるくらい綺麗な赤。


「…ボンゴレファミリーの秘書をしています、aoiと申します」

「aoi、か」


ぼそりと私の名前を呟けばニヤリと微笑んだ。…なんか怪しい。


「…決めた」

「はい?」

「お前を俺の妻に迎える」

「………はい?」

「拒否権はねえ。特に今日はな」

「い、いきなりなんですか!?」


くい、と固定される。目の前には赤い瞳。表情はニヤリと微笑んだまま。


「俺の誕生日にお前をいただく」

影が一つに重なった。






拒否という言葉はない

(貴方…XANXUSだったのね…!!)
(ぷはっ…知らなかったのか?)
(初対面だけど惚れたのは確かよ)
(!、ふっ…Ti amo)




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はりねずみ様より貰ってきました!
ザンザスハピバ小説ですザンザス初挑戦らしいんですが、

そう思えないくらいです!






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