「梨奈、」


後ろからツナの声。

私が振り返ったのと、首筋に息づかいを感じたのはほぼ同時だったと思う。


「…いっ!?」

予期せぬ痛みに上がった悲鳴のような私の声と、

「10代目っ!?」

目を丸くして驚く隼人の声が部屋中に響き渡った。


ツナは、私の首筋に噛みついてきたのだ。








「〜〜〜っ…」

普段めったに感じない場所の痛みにぎゅっと目をつぶれば一雫、ぽろりと頬へ零れ落ちた。


部屋にいたみんなが近寄ってくる。


「綱吉!
僕の梨奈に何してるんですかっ!」


「ツナ?梨奈痛がってるのな」

健の笑顔が黒いんだけど、目をつぶってるから見えない。


「綱吉、何梨奈に噛みついてんの
噛みつくのは僕の特権なんだけど」

毎日のあれは噛みついてるつもりなんだ…恭弥。
私は咬み殺されてるんだと思ってたよ。




てか…


「ごちゃごちゃ言ってないで助けてよ〜!」


ツナ、いつまで噛みついてるつもりっ!?



そんな私を読みとったのか、
自分が満足したのか、

わからないけどツナが顔を上げた。



「うん
これで大丈夫」

「何がっ!?」


ジンジンと疼く首筋を抑えながら、ツナを怒るつもりでツナを睨んだのに。


「梨奈が、俺のモノだっていうしるし」


そういうツナの顔が、あまりに嬉しそうで。

痛みも感じなくなるほど胸がキュンとした。



でも、


「だからって噛むことないでしょ!」




「だって梨奈は、

誰にでもスキだらけ

だから」


(お題 確かに恋だったより)



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ありきたり

だけど

好きw



ちょっと逆ハーっぽく
してみたけど…

わかりました?








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