私は、 暗い夜に空をほのかに照らす、月のようになりたかった。 ツナは大空と呼ばれてる。 みんなを広い心で優しく包み込む、大空と。 でもそれなら、 ツナが辛いとき、包み込んやれる人はいないのかな ──そう、思っていたから。 気をつけてね そうツナを送り出して1か月と2週間。 ツナがマフィアのボスだってことを知ってる私は、ツナの毎日が死と隣合わせだということも知っている。 だから、 日々が過ぎていけばいくほど 時間が過ぎていけばいくほど もう帰ってこないんじゃないかと不安になった。 一回、ボンゴレに行ってみようかな… ツナが帰ってきたのは、そう考え始めたころだった。 「つ、な…?」 「ただいま、梨奈」 目の前で微笑む姿は、何度も夢焦がれた愛しいあなたで。 「ツナっ!」 持っていた洗濯物が汚れるのもかまわず下に落として、ツナに抱きついた。 きゅっ、と力を込めればツナが少し強い力で応えてくれる。 それに私も少し強い力で応える。 久しぶりのツナの体温に嬉しくなって、ツナの胸に顔をうずめて堪能していると、ツナの力がいきなり弱くなり、ツナの顔は私の首もとにうずめられた。 小さく震える体と、何かによって濡れた私の首。 それは、声を押し殺して泣いてるツナの涙だと気づいた。 ツナの顔は見えないし、何で泣いているのかもわからない。 でもなんとなく、仕事で何かあったんだな、と思った。 1か月以上も帰ってこなかったのはそのせいだろう。 いつも苦しそうな影も見せずに笑っているツナ。 人に涙を見せることに人一倍抵抗があるツナ。 ツナが泣くってことは、何かとても、とても辛いことが起きたんだろう。 それでも、 私のところに来て泣いてくれることが嬉しいと思う私は、妻失格かな。 「…ツナ、おかえり」 涙の恋ごころ あなたが私のところで泣く度に、月になれたように想えるのです (お題 確かに恋だったより) ────────────── なんか おかしくなった… どこで間違ったんだろう |